邂逅２（魔探偵ロキ物）


	―…何故気付かないのか…オーディンよ… 　…如何にノルニルによって運命が定められていようとも… 　…それでも選ぶのは己自身だという事を… 　…ラグナロクの真実（ほんとう）の意味を… 　邂逅―第１章―追憶Ⅱ― 　「…ホント…こんな処（人間界）でキミに会うとはね…」　「…それはこっちのセリフだ…親父に落とされたってどう言うことだ？」　「…どうもこうも…そのままだよ…ボクが聞きたいぐらいさ…」　「しっかも何だよその姿！オレはなぁ！お前がこっちにいるって知ってようやく帰れるって思ったんだぞ！てっきりお前が迎えに来てくれたんだと思ったんだぞ！」　「…うるさいなー…仕方ないだろボクのせいじゃないだろ！文句ならオーディンに言えばいいだろ！」　「…それが出来ないからお前に言ってるんじゃないか…」　「…まあね…」　「…なあロキ…」　「…なんだい…」　「…親父のあの性格…なんとかならないのか？」　「無理だね」　「なんだよ～即答かよ～」　「…流石にそればっかりはボクにも無理だよ…」　「…そうか…」　　…その会話を交わしたのは…人間界で…トール神と出会ったばかりの頃の事だった…　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　―続く―